東大工学部のイマを伝えるホームページ

「リーディング大学院」ってどんなとこ?(5) ~GPLLI編~

こんにちは、化学生命工学科4年の上田倫久です。
工学系に関わりの深い「リーディング大学院」を紹介しているこのシリーズも、折り返し地点を過ぎて、5回目です。少しずつリーディング大学院のイメージも掴めてきた頃でしょうか…?

今回ご紹介するリーディング大学院は、ライフイノベーションに関するもの。
これまでも、そしてこれからもホットなトピックであり続ける、『医療』に関するプログラムです。
// リーディング大学院ってどんなとこ?過去記事もどうぞ! [MERIT], [GSDM], [GCL], [GLAFS]

GPLLI_LOGO

▶ GPLLI ; ライフイノベーションを先導するリーダー養成プログラム


『医療』という分野には人の生命が深く関わっており、科学技術の中でも社会と極めて近い分野の1つといえます。加えて、高齢化に伴う介護・医療技術革新の必要性や医療費の拡大など数多くの課題を抱えている分野でもあります。そのような複雑な状況において、課題を解決するだけでなく新しい産業を創出し、雇用を生みだす『ライフイノベーション』を起こせるリーダーが強く求められています。

ライフイノベーションを先導するリーダー養成プログラム、GPLLI (Graduate Program for Leaders in Life Innovation)では、医学・薬学・工学・理学の知を集結し、そのようなライフイノベーションを起こせる理系のリーダーを育成することを目的としています。平成23年度よりスタートした最も古いリーディング大学院の1つというのも特徴です。(HPはこちら

GPLLIを紹介するにあたり、今回はGPLLI2期生で工学系研究科 博士2年の福里優さんにお話を伺いしました。

▶ GPLLIの教育プログラム


GPLLIでは産官学が複雑に関与する医療という分野だからこそ、学=大学/研究室だけでは得られない知識・経験を提供することに重きをおいたカリキュラムが実施されているようです。
具体的には、リーダーとして必要なコミュニケーション能力や俯瞰能力などのスキルを身につける講義や輪講、国内外の研究機関や医療の現場へのインターンシップなどが挙げられます。

また、コース生それぞれが自身の研究を深め、確固とした専門性を築くことも重視しているため、授業の数は少なめに設定してあります。研究内容をベースにした科学技術の応用をもって課題を解決し、産業を創出することを目的としたGPLLIならではの試みではないかと思います。

2014-06-29 14.22.45
2014/7/1現在、福里さんはアメリカのコロンビア大学へのインターンシップの最中ということで写真を送ってくださいました!実際に外の環境で自分を試せる機会が用意されているというのは非常に魅力的です。

▶ GPLLIの特徴


- 多様な講師陣・学生たち


GPLLIの実施する授業では、産学横断で活躍なさっている東京大学の一流の研究者の方々はもちろん、医療に関わるコンサルタントやベンチャーキャピタリストなどビジネスに精通した方々の講義を受けることができます。こういった場を通じて、医療に関する様々な側面の情報を第一線級の人から得ることができるというのが大きな特徴のようです。
また、そのような環境にあるせいか、コース生の中には研究以外の情報にもアンテナを広く張っている人が多いそうです。そういった人たちと互いに様々な情報や人脈を交流させていく中で、自分の研究に役立つ出会いもあったとか。1つの分野の中の多様な人材が集まると沢山の相互作用が生まれるようです。

授業風景
授業のようす

- 自由な雰囲気


また、学生主体の自由な雰囲気も特徴なようです。年2回の全体会議 (全てのコース生が集まる場) の企画・運営をコース生が自分たちで実施する他、自主的に勉強会を開くこともあるそうです。講師の先生方も学生の主体的な活動にはサポートをしてくれるそうで、自由に何かをやっていきたいという人には向いているプログラムかもしれません。

2014全体会議集合写真
昨年度の全体会議の集合写真

 

いかがでしたでしょうか?
取材を通して、「GPLLIをきっかけとしたつながり」が非常に大きく、面白いということがビシビシ伝わってきました笑
成熟したリーディング大学院の良さ、みたいなものが伝わったのであれば幸いです。このシリーズもあと少しですが、良ければ最後までお付き合いください。

—— おまけ。


今回は前回とは打って変わって早朝の実験室での取材でした。
留学直前という物凄く忙しい時期ながらご協力いただき、本当にありがとうございました!!
DSC_0652

(執筆 : 上田 倫久)