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「リーディング大学院」ってどんなとこ?(4) ~GLAFS編~

こんにちは。化学生命工学科4年の上田倫久です。

工学系が関わる「リーディング大学院」を紹介していくこのシリーズも第4回となりました。今回はいままでとはちょっと違った雰囲気のリーディング大学院をご紹介したいと思います!
(リーディング大学院全般に関する情報はこちらの記事を参照ください。)

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▶ GLAFS ; 活力ある超高齢社会を共創するグローバルリーダー養成プログラム


日本の人口の約3分の1が高齢者、5分の1が後期高齢者になるのはいまから何年後のことか知っていますか?
正解は16年後、2030年頃のことです。思ったより早いと思いませんか?

今後世界的な高齢化が進行していく中で、高齢化最先進国の日本として『超高齢社会』をどう捉え、どう対処し、魅力あるものにしていくか。
活力ある超高齢社会を共創するグローバルリーダー養成プログラム、GLAFS (Global Leadership initiative for an Age-Friendly Society) では、迫りくる超高齢化時代に日本だけでなく世界を舞台にこの課題に挑み、主導するグローバルリーダーを育成することを目的としています。(公式HPはこちら

この記事では、いままでご紹介した学問・業界ベースものとは違い、課題を明確に定めその解決を目的としたリーディング大学院 GLAFS について見ていきたいと思います。
今回は現在コース1期生の建築学専攻修士1年の学生にお話をお聞きしました。

▶ GLAFSの教育プログラム


GLAFSでは、各研究科で実施されている高齢社会に関する講義を横断的にカリキュラムに取り入れている他、独自の体験型の授業も実施しています。
東京大学 高齢社会総合研究機構が連携する企業・自治体と協力しておこなう『フィールド演習』、実践的な英語教育や海外留学をおこなう『グローバル演習』、そして、個々人の志向に合わせたテーマに分かれてプロジェクトをコース生同士で考え実施していく『コアセミナー』
これらのプログラムを通して、答えのない課題に世界の舞台で臨める課題解決能力・チームワーク・リーダーシップを鍛えます。

GLAFSの授業のようす。
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コアセミナーではグループにわかれプロジェクトを進めていきます。
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▶ GLAFSの特徴


1つ明確な命題『超高齢社会にどう挑むか』を掲げた教育プログラムであるだけに、多くのコース生が超高齢社会に対して自分の理想や問題意識を強く持っているそうです。GLAFSには文系理系を問わず9つもの研究科の学生が参加できるということで、1つの課題について多様な学問知識を持った熱心な学生が集まり議論する場が形成されているということになります。こういう空間って面白そうですけど中々ないですよね? おそらくこれがGLAFS一番の特徴なのではないかと思います。

取材させていただいた建築学専攻の修士の方も学部生時代から高齢者に関する研究をおこなっているそうですが、GLAFSコース生との交流ではそれぞれの熱意に驚くことも多々あるそうです。また、先述の『コアセミナー』ではコース生同士で密に議論をおこなう分、超高齢社会という同じ方向を向いていても専門分野が違うだけで方法論や考え方が違う場面に多々遭遇するらしく、学問間の違いやつながりに気づく体験も多いとか。そういった分野横断の良い点と苦労する点を身をもって学べるというのも、GLAFSの特徴なのかもしれません。

いかがでしたか? こうした課題解決型のプログラムもすごく楽しそうですよね!ひとくくりにリーディング大学院といっても色々なものがあるんだと少しでも伝わってくれれば幸いです。
Ttime!ではこれからもリーディング大学院についてご紹介していきます。次回の記事もご期待ください。

― おまけ。


今回の取材の様子、7限後ということで夜遅い時間でしたがご協力いただきありがとうございました!!
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(執筆 : 上田 倫久)