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「リーディング大学院」ってどんなとこ?(6) ~GPSS-GLI編~

こんにちは、化学システム工学科4年の白畑春来です。

主に工学系の学科の学生のためのプログラムで、様々な種類がある「リーディング大学院」について特集するシリーズも6回目を迎えました。

(そもそもリーディング大学院とは?→こちら)

今回は、サスティナビリティ学について学ぶ、柏キャンパスでのプログラムを紹介します!

GPSS-GLI; サスティナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム


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このプログラムでは、Graduate Program in Sustainability Science - Global Leadership Initiative という名のとおり、サステナビリティ学、つまり世界各地における持続可能な開発について、実際のケーススタディを元に学ぶことができます。
例えば、今後人口が増加していくフィリピンの地域社会において、持続的な発展をするための森林のあり方はとは。また、高齢化・人口減少時代における持続可能な地方社会のあり方とは、という研究テーマが挙げられます。
今回取材に応じてくださった修士2年の清永千尋さんは、南アフリカの鉱山地域の持続可能な発展について研究されているそうです。(GPSS-GLIのHPはこちら)

GPSS-GLIの教育プログラム


GPSS-GLIは、プログラムの全てを基本的に英語で行うのが特徴です。
また、GPSS-GLIは副専攻ではなく、サスティナビリティ学の学位を得るためのプログラムなので、研究論文が必修です。リーディング大学院でありながら、「工学系研究科○○専攻」などと同じ立場の組織といえます。
(ちなみに、他の多くのリーディング大学院は副専攻として履修するプログラムであるため、プログラム内での論文執筆は必修ではありません。)

1、座学


環境や資源のサスティナビリティを始め、マネジメントや政策に関することなど、サステナビリティ学について広く学べます。

講義風景
(講義風景)

課題はグループワークや発表が中心なので、自発的に学習することができます。

グループワーク風景
(グループワークの様子)

2、フィールドワーク


フィールドワークは海外研修と、国内研修の2種類があります。
例えば海外研修では、今年の2月に南アフリカに2週間滞在して、アパルトヘイトによって社会が分断された地域を実際に訪れました。その地域での生活が今後どのように持続的に発展していくのかという展望について、現地での生活を目の当たりにすることで理解を深めました。

また、国内研修の例としては、被災地である大槌町の政策について、さまざまなステークホルダーの方のお話を聞き、話し合いをすることで、今後の町の発展について議論を行いました。
これらの研修の内容や行き先はグループによって完全に異なり、計画も学生間で立てられることから、フィールドワークではかなりの自主性が求められるようです。

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(フィールドワークの風景)

3、修士、博士論文


GPSS-GLIの学生は、修士および博士課程で、研究論文を書く必要があります。
その際には自ら指導教員を選び、研究テーマを話し合いながら見つけていきます。

研究室に所属して他の学生と一緒に研究を進めるのか、それとも、先生とのミーティングを中心に研究を進めていくのかは指導教員によって異なるので、個人に合わせた研究スタイルを選択することができます。

GPSS-GLIの特徴


学生の8割ほどが留学生で、日本人の学生も帰国子女や、海外の大学で学んだ学生が多く集まっているので、国際色豊かです。また、バックグラウンドも文理問わず様々で、同様にプログラム修了後の進路も様々です。
入学時期は4月と10月で、学期の始めと終わりには親睦を深めるためのパーティーを開いたり、イベントを盛んに開いたりと、学生同士の仲は良いようです。

また、プログラムの特徴は、「自由」という言葉によく表わされています。
指導教員も研究内容も自分で選べるため、研究したいことに関して意思がしっかりとしている人には向いているといえます。
その代わり、自主性がとても求められ、研究においては大変なこともありますが、先生や同じプログラム生は親身で、まわりとのコミニュケーションは常に取りやすいようです。

プログラム名である、Global Leadership Initiativeという名前のとおり、国際色豊かな環境で、リーダーシップを伸ばすことができそうですね!

おわりに


今回の取材は、プログラムの修士課程2年の清永さんにご協力いただきました。
また、台風の接近が危ぶまれたため、柏キャンパスには直接お伺いせず、Skypeを使ってインタビューさせていただきました。ご協力ありがとうございました。

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