東大工学部のイマを伝えるホームページ
学際情報学府という選択肢
こんにちは!学際情報学府の山田です。今回の記事は、私が所属している学際情報学府という大学院について、少しご紹介します。学部4年生の方はちょうど大学院入試の時期だと思うので、参考になるポイントがあると嬉しいです(もちろん、その他の方も!)。
「学際的」という言葉をご存じでしょうか? 英語にすると”interdisciplinary”で、よく「分野横断的」と表現されます。これだけを聞くと「何の分野を横断しているの?」となってしまいそうですが、どの分野を横断しているかは研究室ごと、もっと言えば学生ごとに違うと思います。ホームページにあるように、「情報」を軸として人文社会系(文系)も理工系(理系)も関係なく、多彩な学問を探求できる環境になっています。「学際的」を「文理融合」と読み替えたら少し分かりやすくなるかもしれません。 学際情報学府には6つのコースがあり、便宜上は文系・理系に分かれていますが、どのコースに所属していても選択できる授業が大半です(必修科目が若干異なる程度)。私も修士一年の時、数値シミュレーションの基礎を学ぶ授業と1冊の古典をじっくり読むメディア論の授業を同時期に取っていました。「情報」という共通軸はありつつも、このような履修の仕方は他の研究科ではあまりできないのではないでしょうか?
Ttime! やTtime! Webでは工学部の魅力を発信しているので、工学部と学際情報学府のつながりが気になる方もいると思います。工学系の学生が比較的多いのは、先端表現情報学コースと総合分析情報学コースです。この2つのコースに所属している研究室は、東大の他の研究科(主に工学系研究科や情報理工学系研究科)にも同時に所属している場合が多いという事情が関係していると思います。その中でも学際情報学府に進学する学生は、「技術が社会でどのように活かされているのか」研究と社会との接点に関心がある人が多い印象です。自分の研究と社会との関係を考えてみたい方は、進路選択の候補として考えてみませんか?
学際情報学府の特徴の1つに、直結する学部がないことが挙げられます。東大でも工学部と工学系研究科が直結しているように、一般的に学部と大学院はつながっていますが、学際情報学府はそれがありません。そのためか、学際情報学府の学生には様々な大学・学部出身者や社会人入学の人など、バックグラウンドが多様です。大学院から研究室を変更した学生が多いので、入学直後の半年は研究の方向性を決める準備期間、授業の単位取得を優先してスケジュールを組める研究室が多い印象です。授業はグループワークやディスカッションが中心のものが多いので、出席重視と言われるとハードルが上がるかもしれませんが(苦笑)、教科書を読むだけでは得られない学びを思う存分に味わうことができると言えるでしょう。
本記事では大学院の紹介をしました。学際情報学府では研究以外にも自分の個性を発揮できる機会が多くあります。気になった方は、ぜひ進路の候補に加えてみてください。