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学生インタビュー:化シスの学生生活ってどんな感じ??
学生生活
今回、Ttime!の学生インタビューに快く応じてくれたのは、
伊藤研究室に所属する化学システム工学科(以下、化シス)新4年生の菊地映美さん
です。研究の話や化シスの授業のことに始まり、最後にはご自身の将来の夢について熱く語ってくれました。化シスに興味のある方は必見です!
(
和: インタビュア―
、
菊:菊地さん
)
和:
さて、それでは早速インタビューを始めていきたいと思います。菊地さんは今回、伊藤研究室(以下、伊藤研)に配属されることが決まったとのことですが、そこでは主にどんな研究が行われているのでしょうか?
菊:
伊藤研では主に医療材料の研究を行っています。例えば、副作用を出にくくするカプセルや、開腹手術後に腹膜と臓器が癒着するのを防ぐ医療材料の開発などが、伊藤研では行われています。環境分析やイオン電池の開発といった
環境・エネルギーの分野を研究する教授が多い化シスにしては、比較的珍しい研究室であるといえますね。
和:
これまで化シスの授業では主にどういったことを学ばれてきましたか?
菊:
これが3年生夏学期に私が履修した授業の時間割になるのですが、化学システム工学科とあって、やはり化学と名がついた授業が多いのが見てわかると思います。
2,3年は概して有機化学や物理化学といった化学の基礎について学ぶことが多かったですね。
和:
この学期では実験が週に三回もあったようですね!実験では主にどういったことを行うのでしょうか?
菊:
はい、
化シスでは3年の夏学期・冬学期ともに週3回実験が行われていました。
その実験の内容は大きく分けて3つあり、それぞれ
分析化学・有機化学・コンピューター化学
と呼ばれています。化学・生命系の3学科(応用化学科・化学システム工学科・化学生命工学科)がそれぞれ1つの実験を担当し、担当する実験を各学科間で順々に替えていきました。
それぞれの実験内容について簡単に説明しますと、
有機化学実験では化学反応を起こしてある物質を生成するような実験をし、分析化学系ではある混合物がどんな物質で構成されているかを特定する分析機器の使い方などについて学び、コンピューター化学実験では文字通りコンピューターを使って、化学反応のシミュレーションや分子軌道を描くといったことをしました。
いずれの実験も、講義で学んだ知識を下に自分の手を実際に動かして作業するのですが、特に有機化学実験では温度調節の巧拙などによっては理論通りに行かないことがあり、非常に面白く感じました。
なお、実験にかかる時間についてですが、時間割上は一応3・4.5限となっているものの、
一番早い時で3時、遅い時だと7時半までかかったものがあるなど、回によってバラバラでしたね。
和:
なるほど~、実験の他に何か印象に残っている講義は何かありますか?
菊:
そうですねぇ、上の時間割にもある「
プロセスシステム工学
I
」の授業は今でも非常に印象に残っています。そこで学んだことは、主に化学反応をモニタリングするセンサーについてなのですが、
センサーの原理や仕組みだけでなく、センサーが化学プラントなどで実際どのように応用されているかについて学ぶことができたのが印象的でした。
化学プラントの内部の状態というのは直接目で確認することができないのですが、プラント内部に設置したセンサーが物質に様々な波長の光を当て、その光の吸収の度合いなどを察知することで、今プラント内で生じている化学反応をリアルタイムで知ることができるのです。このセンサーのおかげで、内部の異常をいち早く察知できるようになったばかりではなく、プラント内部の状態に応じて逐一最適な処理を組むことが可能となり、目標とする物質を効率よく生成できるようにもなりました。以前はプラント内部の状態を把握するのに1時間くらいかかっていたことを考えると、これは非常に画期的な発明であったといえます。
和:
そうなんですか~やっぱり原理や仕組みを学ぶだけじゃなく、実際に社会でどう応用されているかについて学べると、より科学を身近に感じて面白いですよね。ところで話は変わりますが、そもそもなぜ進振りで化シスに進学することを希望したのでしょうか?何かキッカケのようなものはあったのでしょうか?
菊:
はい、
化シスを志望することになった1番のキッカケは、1年生の冬学期に履修した化学・生命系3学科による合同講義でした。
そこで化シスの伊藤研究室というところでは主に医療材料の研究を行っているのだと知り、自分がやりたいことはまさにこれだ!と直感したのです。なので、
進振りの進学先に悩んでいる1、2年生には、各学科の研究内容が紹介されている授業を積極的に履修することを是非おススメします。
和:
進振り前からすでに行きたい研究室が決まっていただなんて珍しいですね!そして念願かなって今回その伊藤研に配属されることになったということで、本当におめでとうございます。ところで、なぜ医療材料の研究にそんなにも惹かれたのですか?
菊:
実をいうと、私は小学生のころから将来医療系の研究に携わりたいな~と思ってきました。そして、そう思うようになった一つの理由は、当時同じ小学生に通っていた仲の良い友人の一人が心臓に軽度の病を抱えていたということです。走るといった激しい運動に制限がかかっていたのを見て、将来は彼のように体を悪くしている人の役に立ちたいと強く思ったのです。
和:
そうでしたか、菊地さんは素晴らしい夢をお持ちなんですね。でも、そこで医者を目指そうとは思わなかったのですか?
菊:
それは、自分の性格について今一度考えた時、現場で直接患者の治療に携わるよりも、新薬の開発や医療機器の開発を行う裏方として活躍するほうが、自分の性に合っているだろうなぁと思ったからです。また、
医者が100人救えるとしたら薬は1万人救える
という言葉を耳にしたことがあり、できるだけ多くの人を救いたいという思いがあるため、医療材料の研究を志してきました。
和:
なるほど~伊藤研への配属に至るまでにはそういった背景があったのですね。菊地さんが将来、病気に悩む世界中の人々を救うような発明するのを期待しています。
さて、最後に菊地さんの熱い夢をお伺したところで、今回の取材を終えたいと思います。化シスでの学生生活からご自身の夢まで語っていただき、大変ありがとうございました。
菊:
こちらこそ、ありがとうございました。
(菊池さん@5号館前)
(インタビュアー 和田崇史)