東京大学には産学連携本部という組織があって、研究成果を社会貢献へつなげるというミッション達成のために

  1. 各研究室や学部と企業をつなぐ
  2. 研究成果の社会還元方法の検討

といったことを行っています。

普段は工学系の先生方も研究成果をもとに特許を出願するときなど様々なことでお世話になっている組織です。学生向けにはアントレプレナー道場という授業を開講しています。

このような背景を持っている産学連携本部の中にイノベーション推進部という部署があり、東大発のベンチャー支援を行っているので、今回はその支援内容について伺ってきました。(もちろん工学系の修士・博士課程の学生もたくさんお世話になっています!)

■東大発ベンチャーを促進する4つの支援

1.アントレプレナー輩出のための教育支援

イノベーション推進部では、東京大学アントレプレナー道場というプログラムを毎年開催していて、今年で10年目とのこと。こちらでは、学生向けにビジネスプランのたて方などについてトレーニングしながら、初級・中級・上級の順にレベルアップしていく形式となっています。レベルが上がるにつれてプランをもとに学生を選抜していき、最後まで残った20-30名の学生には、10月頃の最終発表会でビジネスプランについてのプレゼンテーションを行ってもらいます。
最終発表会で優秀だったチームは、北京大学や米国テキサスのSouth by South Westというイベントへ派遣されてビジネスプランやプロダクトを披露する機会を得ることが出来ます。こういった経験を積んでもらうことで、実際にビジネスを立ち上げていく経験を学生のうちに積めるようになっています。
※South by Southwestは、テキサス州オースティンにて音楽祭として始まるも、現在では映画部門とインタラクティブ部門が加わり、1000以上のトークセッションや500社以上の企業の製品展示会も同時開催されている世界最大級のベンチャー向けイベントです。

LINE森川社長による講義風景

LINE森川社長による講義風景

 

SXSWの様子。 取材を受けているのは 東京大学工学系の学生

SXSWの様子。
取材を受けているのは
東京大学工学系の学生

 

また、東京大学が最近力を入れている「体験活動プログラム」へも「スタートアップ10番勝負!(対決編)」と題してプログラムを提供しているようです。去年参加者の感想もどうぞ!
教授・准教授・ポスドクの方へ向けても研究成果をビジネスにつなげるための支援やトレーニングを行っています。

2.知的財産の権利化・ベンチャーキャピタルなどの紹介支援

東京大学TLO(工学部・工学系研究科の学生であれば研究内容から特許を取る際にお世話になります)、東京大学エッジキャピタルといった東大関連機関と連携して、知的財産権の手続きや投資の支援を行っていきます。産学連携本部では、上記2機関と三者連携体制の下、技術を元に起業する東大関係者への支援を行っております。

TLOリンク
utec

3.オフィススペース・経営相談支援

貸しオフィスの様子

貸しオフィスの様子

産学連携プラザやアントレプレナープラザには東大発のベンチャー向けにインキュベーション施設(貸しオフィス)を設けています。もちろん、使用するためには東大の研究を用いていて、かつ(その企業に)将来性があると判断される必要があります。賃料も取りますが、デスク1つから借りることができ、ベンチャーを立ち上げるために必要な環境は整えているのでベンチャーを作っている方は申請してみるといいかもしれません!
また、産学連携本部の支援対象になると、経営・財務・法律などについて外部の会計事務所・法律事務所など専門機関へ初回無料の相談をすることができるようになります。

4.気軽に相談に応じてもらえる

イノベーション推進部では、「面白い技術があるがどうやったら人に使ってもらえるのかわからない」という方から、「なにか面白いことをやりたいけどどうしたら良いのかわからない」という方まで、幅広く質問に応じてもらえます。まずは産学連携本部の申し込みフォームから質問してみましょう!
東大の組織なので、親身になって相談に乗っていただけるようです。相談相手さえわからないという方はご検討ください。

■おわりに

インタビューにご協力いただいた産学連携本部イノベーション推進部の菅原先生より、「0から1を作ることはベンチャーに限らず新しいことを始めるどんな場面でも必要になってくる力です。」とメッセージをいただきました。

ベンチャーには興味もない、という方も、アントレプレナー道場に参加してみることをおすすめします(今期は申込締切済み)!
工学系の学生にもこういったチャンスがあるのだということを知ってもらえれば幸いです。

インタビューにご協力いただいた 李先生(左) 菅原先生(右)

インタビューにご協力いただいた
李先生(左) 菅原先生(右)

(執筆:化学システム工学科 柴山 翔二郎)